介護の仕事をするうえで欠かすことのできないスキルの一つが接遇です。接遇とは、文字通り人に近づく接ともてなしの遇を合わせた言葉で、おもてなしの心を持ちながら人に接することを意味します。接遇と聞くと、飲食店などの接客業に必要なスキルと捉える人もいるでしょう。実は、接客業だけでなく、利用者と接することを主な仕事とする介護職も接遇が必要不可欠なのです。
良い接遇にはいくつかのポイントがありますが、中でも基本となるものとして挨拶が挙げられます。挨拶は仕事だけでなく、プライベートの人間関係においても当たり前のように行われるコミュニケーションの一つ。挨拶をするときは、しっかりと目を見て相手に自分に向かって話していることを認識させることが基本となります。このとき、相手が聞き取れるようにハッキリと大きな声で話すのはもちろんのこと、できる限り笑顔も絶やさないようにしましょう。挨拶と並んで接遇で重要となるのが言葉遣いです。言葉遣いは身なり格好以上にその人の人間性を表すもので、どんなに清潔な身だしなみを心掛けていても、言葉遣いが汚ければ人間性を疑われかねません。言葉遣いは慣れ親しんだものがそのまま出てしまうため、日頃から丁寧かつ正しい日本語を使うようにしておくのがポイントです。その他にも、相手の話を聞く姿勢も忘れてはなりません。コミュニケーションは自分が話すだけでなく、相手の言葉に耳を傾けることで初めて成立します。そのため、ながら対応にならないように注意して、話すときと同様に相手の目をしっかりと見るようにしましょう。